悪いやつも時々、いい事をする
サウンドガーデン、オーディオスレイブのクリス・コーネルがデトロイトのホテルで死んで、もうすぐ3年が経つ(2017年5月17日死去、享年52歳)
あまり関係ないけど今、原田マハさんの「デトロイト美術館の奇跡」という中編の小節を読んでるところで、ふとクリス・コーネルの素晴らしい声を思い出した。デトロイトっていうことでかな。
もちろん彼自身はシアトルの象徴だ。
クリス・コーネルといえば僕は何といってもサウンドガーデンのゴリゴリだった時が好きなんだけど、今回はクリスの没後にリリースされたこの曲を。
没後にはその名も「Chris Cornell」というCD4枚組64曲(!)のコンピレーションアルバムもだされたらしい。
このMVに出ている新聞を配る長髪の少年はクリストファー・コーネル・ジュニア、クリス・コーネルの息子だ。
力強く含蓄の深いバラード、もしくは祈りのゴスペルに近いかもしれない。
Standing beside an open grave
Your fate decided, your life erased
Your final hour has come today
Lit by the fire of your temples burning
開け放たれた墓穴の横に立つ
お前の運命は決し、お前の人生は消された
燃え上がるお前の神殿の炎に照らされ
今日がお前の最後の日だ
You were a child and so was I
Now you’re a hunter but I am a lion
And I will cut you down
Like I’ve done so many times
But sometimes bad can do some good
Sometimes bad can do some good
Sometimes bad can do some good
お前は子供だった、そして俺も
今やお前はハンターだが俺はライオンだ
何度もそうだったように俺はお前を倒すだろう
でも時々悪い事がなにかいい事をすることもある
時々悪いやつもなにかいい事だってやれるのさ
悪い出来事がいい事に結びつくこともあるんだ
And I heard you say that flesh sells by the pound
When blood is raining down it cuts a deep river
And I’m diving
そしてお前が肉をポンドで売ると聞いたぜ
血は雨となり落ち、深き川を切り裂く時
俺はダイブしよう
Now shine a light down onto the earth
And shake this gold dust out, out of the dirt
No saints beside me and no prayers to guide me
Sometimes bad can do some good
Bad can do some good
Sometimes bad can do some good
今地球に日差しは降り注ぎ
そして土から金粉を振るい落とす
俺のそばに聖者は居らず、俺を導く祈りはない
時々悪い出来事がいい事に結びつくこともあるんだ
悪い事がなにかいい事に
時々悪いやつもなにかいい事だってやれるのさ
(Rain down, heaven is falling)
I’ve chosen a side and I will show no pity
(Rain down, heaven is falling)
And spare no lives for those who try me
(Rain down, heaven is falling)
Let it be understood
Sometimes bad can do some good
(Rain down, heaven is falling)
Sometimes bad can do some good
(Rain down, heaven is falling)
Sometimes bad can do some good
(雨が降り、天国は落ちる)
俺はこっちを選んだからもう哀れみはしない
(雨が降り、天国は落ちる)
そして俺を試すものに命を分け与えない
(雨が降り、天国は落ちる)
理解させてくれ
時々悪い出来事がいい事に結びつくこともあると
(雨が降り、天国は落ちる)
時々悪い事がなにかいい事をすることもある
(雨が降り、天国は落ちる)
時々悪いやつもなにかいい事だってやれるのさ
とても僕には難しい詞だった。
聖書的な概念が根底にあるんだろう。
俺はGODなのかもしれない。
特にAnd I heard you say that flesh sells by the poundの連がわからなかった。
ヴェニスの商人かなあ。
なんとなくクリス・コーネルに訪れる死の予感が。
墓穴をのぞき込んでいたり、審判の日のようであったり、命を分け与えなかったり。
Bad can do some goodとは、その悲劇にですら何か吉事を見いだせということなのだろうか。
それとも悪いことをやってきたが、時にはいいこともするんだっていう懺悔なのだろうか。
なんにしろ、深く心に響き震わすクリスの絶唱だ。
悲しいがすがすがしくもなる歌声。
空を見上げたくなる。
雨がやんだら。


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