僕はキングで君はクィーン、一日だけなら僕らはヒーローにもなれるんだ
なぜ僕がこの歌にとてもはまったのかよくわからない。なんせその頃の僕はハードロックオンリーの偏った音楽嗜好全開だったからだ。
はじめてどこかで耳にしたときから、僕は曲が好きになった。やもすれば単調なリズム、当時は嫌いだったはずのシンセの音、そしてあえぐようなボウイの歌いだし。
なぜ僕はジーンきて、そしてもう何十年もたった今もこんなに好きなんだろう。
この”Heroes”はいろんなライブのものが聴ける。アレンジのバリエーションも多いし、いろんな国の言葉で歌われている。どれもがそれぞれ違うカッコよさがある。年代によっての違いもある。
でもまずは僕が最初に聴いてとりこになったアルバム版から聴いてもらおう。
イントロの印象的なフィードバック。幻想的でけだるい感じもいい。そしてデヴィッドの渋さもあり、艶もある声。3番まで抑え気味に歌われる。
I, I will be king
And you, you will be queen
僕は出だしの”僕”と”あなた”を二回づつ歌うところがいきなり好きだ(アルバム版。シングル版では歌詞の始まりが違う。この確かめ合うような不安定さ二人が立っているのがこの曲の背景だ。
We can be heroes just for one day
僕らはヒーローになれる、だけどそれは一日(ひととき)だけだ。
この歌の背景はベルリンの壁だ。といってももうピンとこない人も多かろう。
いわゆる東西冷戦によって分断されたドイツの象徴的なあれだ。ある日突然ベルリンの中で(正確には西ベルリンと東ベルリンの間で)人々は行き来ができなくなった。特に東側にいた人たちは過酷な状態になった。壁を越え西へ行こうとしたものは200人以上が死に、何万人もの人が逃亡罪で逮捕された。
この壁によって家族、友人などが分かれ分かれになったものもいた。
強制的な力によって、分かれ分かれになった恋人たちもいたかもしれない。
この歌詞は壁の前によりそうカップルをみて着想された。
ベルリンの壁を背景に避けられない運命を背負った二人。
でもわずかな時間の逢瀬、僕らはお互いのヒーローになれるんだ。
そして4番でいきなりオクターヴ絶唱。曲は劇的にもりあがる。叫ぶようにボウイは歌う。
感情は昂ぶり一瞬は永遠になる。
僕は王になれる、君は女王だ
I, I can remember (I remember)
Standing by the wall (by the wall)
And the guns shot above our heads (over our heads)
And we kissed as though nothing could fall (nothing could fall)
And the shame was on the other side
Oh we can beat them for ever and ever
Then we can be Heroes just for one day
僕は思い出すことができる
壁のそばに立ち
銃弾が僕らの頭の上をかすめていく
そんな中僕らはキスを交わした倒れることもなく
恥じるべきは向こう側だ
僕らは永遠に打ち負かすことができる
僕らはヒーローなんだ、この一日だけでも。
さっきベルリンの壁のことを書いた。ボウイはベルリンでレコーディングしているときに見かけた見知らぬ男女に着想を得たと言っていた。
そのベルリンの壁はこの歌が世にでたその12年後に崩されることとなる。東西ドイツは統合された。
そしてのちにデヴィッド・ボウイは壁の前で見た二人は実は見知らぬ男女ではなくHeroesをレコーディングした時のプロデューサー、トニー・ヴィスコンティとバックヴォーカルのアントニア・マースだったと語った。ヴィスコンティは当時既婚者だったそうで、考慮したんだって。
そうか不倫か。そう聞くとまたそれはいろいろ考えさせられる。
Though nothing, nothing will keep us together
We could steal time, just for one day
何も僕らをつなぎとめることができなくとも
僕たちは時間を盗むことができる、この一日だけでも
We’re nothing and nothing will help us
Maybe we’re lying then you better not stay
But we could be safer just for one day
なるほどね。
ライブエイド、いきなり盛り上げにきたやつ
次はまさにI’ll drink all the timeで楽し気にやってるやつ
また、この曲はいろんなアーティストにカバーされた。
そんなかでもちょっと驚きで、ちょっと感動したやつ
Motörheadだ
そして僕も見に行った横浜アリーナのボンジョビ
僕らはまだヒーローになれると思わないか
What d’you say?
君はどう思う?


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