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森へ行きましょう(川上弘美)

同じ人間のあるかもしれないいくつかの違う人生。生まれてからの長いパラレルな道のりを同時に描く作者の野心作だなと思います。読み始めは登場人物が主人公の名前の文字が違うだけで、みんな同じ名前なので入り込めないほど混乱する。でも読み進めていくう...
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横道世之介(吉田修一)

日常こそが物語。というのはちゃんと日常というものを感じている者だけ気づくことだろう。 祥子ちゃん、最初はさすがにニガテだなぁと思ってたけど歳月は人を成長させるし、案外いい子だったなぁと。 吉田修二は何事もない風景を切り取るのがうまい...
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孤独か、それに等しいもの(大崎善生)

喪失と再生、過去との決別、ということが繰り返される短編集。 丁寧に言葉を綴っている。 身近な者の死による呪縛、精神的な破綻、しかしそこから浮上し自己を取り戻していく様。最初は何か暖かいものも感じたのだけど、何篇か読みすすむうちに少しおな...
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静かな爆弾(吉田修一)

わかっていることと、わかっていると思っていること。 自分以外の人のこと、もちろん自分のことも。 そして何を伝えたいのか。伝えたいことはあるのか。 そういうことで、出会いや別れはあるんでしょうね。 ほとんどの”別れ”って知ってるつもり...
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官能記(芦原すなお)

大した女性の一代記。 題名や帯に書いてあるような、エロはほぼ皆無。そこに期待はするな。 逆に娘たちに読ませてやりたい、人生の参考書じゃないかなあ。こんな波乱万丈に生きられても困るが。 お話はもらわれてきた女の子の半生なんだけど、こ...
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ひなた(吉田修一)

男女4人のそれぞれの目からみた”生活”。たんたんと日常を切り取る吉田修一はすごいなあと思う。この人の本は大体があまり”救い”とかないのだけど、いつも圧倒的にリアルを感じられて、胸に残る。 「悪人」のようなドラマチックな話はない。でもそう、...