虹よ! by ドロシー
ジャンルを超えたすべての愛すべき音楽から、我がオールタイムベスト100を死ぬまでに選出したいと思っている。
なんせ僕はまったくの節操無しでいろんな音楽を聴くので、これとこれを並べてもいいの?みたいなカオスになってしまって、それはそれは遅々として進まない。
それでも1番に掲げる曲は決まっている。もうナンバーワンが決まっているならあとの99曲はいいじゃんとかいうなよ。99曲悩ませろよ。
でも1番は決まっているのだ。
無数にある音楽のジャンルから(僕はあまり音楽のジャンル分けに便宜以上の意味を感じないんだけど)、ナンバーワンに選ぶ曲はハードロックとなった。
それがこの曲だ。
この疾走感。
イントロからがっちり掴んでくるギターフレーズ、ドラムのかっこよさ、そしてロニー・ジェームズ・ディオの唯一無二のすばらしさ。
僕はボーカリストのディオが大好きだ。特に特にレインボーのディオはもうそれこそ最高、ディオという完成形だ。好みはもちろん人それぞれだけど、この特徴的な音域の伸びは最高だ。見た目でなんか言っちゃいけないよ。
いつもは演奏している映像だったりMVをこのブログでは張り付けるんだけど、今回はまずこのスタジオバージョンでしかも音質のいいのを聴いて欲しい。
もう隅々まで驚きと気持ちよさでいっぱいだ。
オルタネートで始まるギター、からんでくるコージーの鬼のようなドラム。まさにからんでくるっていうか戦っている感じだ(特に小節終わりのチッダ・ダ・ダ・ダが、なんてぶっこみかたすんだよと)
激しさ、爽快な疾走感、スリル、そういうので満ち満ちている。壮大でくっきりとした他になかった世界観がある。
それはやっぱりディオのボーカルとメロディ、コーラスワークだ。このギターとドラムに負けない、というかそれをも凌ぐような個性、ディオだから成り立っている。特にギターソロで転調したあとさらに上に転調してるのにかまわず歌いきるあの奇跡の喉。
この曲はまさにリッチーブラックモアとコージーパウエル、それとディオの融合による奇跡の結晶に違いない。
壮大ってさっき書いたけど、この曲は実際は4分半くらいしかない。しかしその短い中に起承転結がこれでもかってドラマチックに凝縮され詰まっている。
ギターソロ。これ以上印象に残ったギターソロはないぞ。ドラマをこれほど盛り上げるギターソロがあるだろうか、ないだろ。子々孫々に伝え残したいソロだ。
そして壮大なのはその歌詞からくる世界観もだ。王様を殺せ!だぜ。
王を殺すというのはシェークスピアでおなじみだ。
中世ヨーロッパでは時代は王を殺すことによって変移していった。それは父殺しでもあった。新しい王を擁立するためには古き王を殺すというプロセスが必要であったという。子は親を抹殺して越えていくのだ。
また革命の時代となると旧体制側の王を殺すことで革命は成就した。時代を変える方法だ。
乗り越えるためには過去をすっぱり切り捨てなければならないのだ。
しかし、しかしだよそんな題材のヒット曲があるか。
出だしから”危険だ!危険だ!女王が殺そうとしている!”だぜ。久米宏と黒柳徹子、タモリもびっくりだ。
ライヴ最強ですな。
『レインボー・オン・ステージ』 (原題On Stage)はレコードもCDもどんだけ聴き倒したか。
最高ですな。幸せですな。あ、虹よ!
(2019.06.11初書き)
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