森へ行きましょう(川上弘美)

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同じ人間のあるかもしれないいくつかの違う人生。生まれてからの長いパラレルな道のりを同時に描く作者の野心作だなと思います。
読み始めは登場人物が主人公の名前の文字が違うだけで、みんな同じ名前なので入り込めないほど混乱する。でも読み進めていくうちに、それぞれの世界の中でそれぞれのキャラが立って行って混乱は収まっていきます。
大きな事件が起こるわけでもない(それぞれの人にとっては人生は大きな事件ですが)けど、少しの選択、少しの変化で誰でもに違う人生があるんだという、それが美しい文体で書かれて悪くない読後感でした。

つくづく思うのは、つらい、幸せ、悲しい、愉しい、虚しい、色々な場面はあれどつまらない人生などない。どれをもって自分と思うかはそれぞれだし、それが人の生。


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