Don’t Look Back In Anger/ Oasis

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怒りに身をまかせてはいけないって君の声が聞こえた

2020年はひどい話で新年を迎えた。
アメリカによるイランのスレイマニ司令官暗殺だ。
そしてイランはイラクにあるアメリカの軍事基地にミサイル数十発を打ち込んだ。
報復だ。

 

 

1995年、アルバム「モーニング・グローリー」に収録のドント・ルック・バック・イン・アンガー。
この曲のリードボーカルはいつものリアムではなく兄のノエルがとっている。


この曲は映画「BECK」の最後にも流れていた。その映画自体には語ることはないが桐谷健太はよかった。

 

 

オアシスは2009年に解散した。なんせ仲の悪いギャラガー兄弟だったから。
しかしこの「Don’t Look Back In Anger」は2017年にまた脚光をあびることとなった。
マンチェスターで起こったテロ事件でだ。

その日マンチェスター・アリーナではアリアナ・グランデのライブが行われた。観客が帰り始めるその時、エントランス付近で爆発が起きた。自爆テロだった。
23人が死亡し59人がけがを負った。犠牲者の一人は8歳の女の子、アリアナのライブだったので若い子の被害が多かった。

そして追悼の集会がおこなわれ多くの市民が集まった。すると一人の女性がこの「Don’t Look Back In Anger」を口ずさんだ。その歌が周りに広がり自然と合唱になっていった。
特にDon’t Look Back In Angerというフレーズで大きくなっている。


やがてこの歌がイギリス中でマンチェスターテロの追悼として合唱されるようになっていったそうだ。

そしてマンチェスターにてアリアナやコールドプレイらによって追悼ライブが行われた。
そこでやはりこの曲が歌われた。


哀しみの中、なぜこの歌が多くの人々に歌われたのだろうか。

それはオアシスがマンチェスター出身でマンチェスターが誇るバンドだったからだろう。
そして
And so Sally can wait
She knows it’s too late
As we’re walking on by
Her soul slides away
But don’t look back in anger
I heard you say
サリーは待っていてくれる
僕らが共に歩むには手遅れと知っていても
彼女の魂が離れていく
でも、怒りで過去を見ないで
そう君が言うのが聞こえたんだ

というこの歌のサビが人々の琴線に触れたんだろう。

もちろんこの歌はテロに向けて作られた歌ではない。
きっと男女の別れの情景だろう。
でもこの歌には普遍的なことがある。
物事は思うようにいかないし、悲しみはふりかかってくる。それでも怒りという感情では何も救われないし変えることはできない。
怒りや悲しみに囚われ続けないで。
物事はクールに見つめ考えないと何も変えられやしないから。

最近の世界情勢、特にアメリカのやり方を見ると、テロで人が死に軍事報復を行いまた人が死に、市民が死に子供たちが死に兵士が死に、ただただ死の連鎖、暴力の連鎖です。
この怒りの連鎖で解決されるものがあると思う人がいるだろうか。
感情論で正義など唱えても、それは何の正義か。そんな正義はクソの役にも立たない。

この歌の中にある
ベッドの中から革命を起こす”So I’ll start a revolution from my bed”
というのはジョン・レノンとヨーコ・オノの”BED IN”という反戦活動から。

彼らが新婚の時に7日間おこなったパフォーマンスで平和を謳っている
つまり、平和は戦いで勝ち取れるものではなく愛の中からでしか生まれないと言っているんじゃないだろうか。
ギャラガー兄弟は喧嘩ばかりしているが、この名曲を作った。そして平和であればこそ彼らはまた仲直りをしているんだ。

 

 

冒頭で書いたように今年は年明けにトランプ大統領がイランの司令部のトップを暗殺した。ドローンによる攻撃でだ。
イラン及びイスラムの市民はアメリカによるテロだ、アメリカを許すなと集会を行い叫んでいる。
報復によるミサイルが空を飛ぶ。
怒りの中、また命が粗末に扱われる。
またいかれた戦争が始まる。

 

変わらない世界に、この歌を皆で口ずさむべきだ。
音楽は武器やテロ行為よりもはるかに平和につながるものだと思うが、それを望まないものもまだまだ多いようだな。

 

 

 

 

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