深夜高速/ フラワーカンパニーズ

この記事は約2分で読めます。

青春ごっこを今も 続けながら旅の途中

フラワーカンパニーズ、フラカンは結成が1989年ということでもう今年で結成30年という。
中学、高校の同級生で組んだバンドということで、それもこの曲にイマジネーションを大いにプラスする。

彼らは大きくブレイクしたことはない(失礼)、でも彼らは今も青春をいつまでも続けている。
青春というだけに青臭いのだけれど、それでもだいたい同年代の僕にうらやましいほどに光を感じさせる。まぶしすぎてなかなか直視できないのだけれど。

出だしの旅の途中、ヘッドライトの光が手前を照らしているのは、メンバーたちが運転をしながら機材をつんだバンが高速道路を走っていくその道だ。
若いエネルギーで突っ走ってきたロックバンドも、いつか歳をとっていく。車を走らせながら、そしていつまでも同級生であるメンバーの顔をみながら、なにをしているんだろう?とちらっとは思ったことあるはずだ。

目的はないんだ、帰り道も忘れたよ

ロック的な刹那なかっこよさもあるし、またもうここまでやってきたらやめるタイミングはとうに過ぎたという切なさも、ある。
それはロックバンドだからとても分かりやすく見えるのだけれど、実際多くの人、僕や君も「いつの間にかこんなところまで来てしまった」感はどこかであったはずだ。
人生は走っていこうが佇んでいようが、みな流れていく。時間は止まらず、やがてどこかへいく。
目的地はない。目的を定めたとしても、そこへ着いたら人生は終わりじゃない。
人はいつでもやり直せる、いつからでも始められる、と言うけれど、たしかにそういうことはあるけれど、それは人生をやり直すわけではない。いままでの続きなのだ。


この曲はもちろんいろんな解釈ができる。聴く年齢、立場、今の気持ちによっていろいろ考えられるだろう。ノスタルジックでもあり応援歌でもあり誓いの言葉でもある。
それぞれが自分の歌にできる素晴らしい曲だ。

訪れるかもしれない絶望を回避する方法は

いこうぜ いこうぜ 全開の胸で

いこうぜ いこうぜ 震わせていこうぜ
もっともっと もっともっと見たことない場所へ
ずっとずっと ずっとずっと種をまいていく

しかない。

彼らの熱唱はいつまでも僕を青春とかいてまぶしいアオハルに連れていく。

生きていてよかった。

ちなみに「深夜高速 -生きててよかったの集い-」というトリビュートアルバムが出ていて、13組のアーティストと本人らで計15曲、おなじ深夜高速を吹き込んでいる。なかなか熱い企画。

コメント

  1. […] この間フラカンの『深夜高速』を取り上げた。 あの歌で僕が感じるのもこの「やわらかな後悔」だ。 「後悔しています」と言うのとは違う、もっと漠然としたノスタルジーだと思う。 […]

タイトルとURLをコピーしました