QUEEN(1980)
子供の時、なにかわけもわかぬ焦燥や孤独、他者になじめないような(感覚のずれのような)そんな感じに囚われていた。
まぁ若い頃、誰でもかかえるようなそういうやつだ。大人になったら笑っちゃうようなやつかもしれない。今なら中二病とかいうのかな。違うかな。
そんないらだつような、いたたまれないような日々、その頃は笑えやしない。
多感だった少年はよく親の原チャリで夜あてもなくうろついてた。もちろん免許の歳じゃなかった。
通う学校のそばが大規模な宅地開発をしてる真っ最中で、それまで山や野原、沼だったのが住宅地に変わって行った頃だった。
その中のまだだだっぴろいだけの宅造地の向こうに大きな建物が建設中で、それは新しい県立の高校になるということだった。
夜中に忍び込んだ少年は誰もいない、校舎になるだろうそのまだ断片のような建築物のあいだをぶらついた。
その頃、それこそレコードの溝が擦り切れるまで聴いていたクイーンの曲が頭の中に鳴り響いてた。
まだヘッドホンで音楽を聴きながら歩くなんて時代じゃなかったんだ。頭の中で鳴っていた。
SAVE ME
赤いスプレーで校舎になるだろう壁に書き殴った。
ああもう時効だろ。許してね。
たしかSAVEが大きく、MEがちっちゃくなってしまったな。
まさかその時はその高校に一期生として入ることになるとは思っていなかった。
入学した後その壁あたりを見に行ったが、当然なにも書いてなかったな。
SAVE MEはアルバム「ザ・ゲーム」に収録された、レコードではB面最後の曲だ。
フレディー・マーキュリーの曲かと思ってたら今見たらブライアン・メイ作詞作曲だった。意外だったな。
It started off so well
They said we made a perfect pair
I clothed myself in your glory and your love
How I loved you
How I cried
最初はうまくいってた
みんな僕らをお似合いなふたりだって言ってた
僕は君の栄光と愛で身を包んでいたんだ
どれだけ君を愛していたか
どれだけ泣いたか
The years of care and loyalty
Were nothing but a sham it seems
The years belie we lived a lie
I love you till I die
長い年月に渡る慈しみと忠誠
ただのみせかけに過ぎなかった
長い年月嘘を生きてたんだ
「死ぬまであなたを愛してる」
Save me, save me, save me
I can’t face this life alone
セイブ・ミー セイブ・ミー 救って欲しい
一人で人生に面と向かえないよ
Save me, save me, save me
I’m naked and I’m far from home
セイブ・ミー セイブ・ミー 救って欲しい
僕は裸で、帰る場所からも遠いんだ
この英詩を家の洋服ダンスにもオレンジのマジックで書きなぐって、でもそういえば親に怒られた覚えはないな。
歌もピアノもギターも完璧


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